今回紹介するのはアドベンチャーゲームです。 科学ADVシリーズ第4弾
“妄想科学ADV”
chaos;child
カオスチャイルド』 [PS4 PS3 PSVita XB1] (MAGES/5pb)
 
※いずれもCERO Z (18歳以上対象)

◇ 「科学アドベンチャー」シリーズは企画・原作を志倉千代丸さんが手掛ける人気シリーズ。
第1弾 “妄想科学ADV”『CHAOS;HEAD
第2弾 “想定科学ADV”『STEINS;GATE
第3弾 “拡張科学ADV”『ROBOTICS;NOTES

そのシリーズ最新第4弾にして、第1弾の設定を引き継いだ後継作として再び“妄想科学ADV”の名を冠して発売されたのが本作『CHAOS;CHILD』。
ささきむつみ先生デザインの可愛らしいキャラクターと、強烈なシナリオとの対比が印象的なゲームです。

舞台は『CHAOS:HEAD』のエンディングから6年が経過した渋谷
主人公の高校生・宮代拓留と、彼の所属する新聞部の部員達が渋谷で発生している連続猟奇殺人事件の真相へ迫ろうと行動を起こすところから物語はスタート。


前作との関連・プレーヤーへの配慮
『CHAOS;HEAD』と共通する設定・世界観に加え、随所で前作との関連を匂わせるような描写があり、プレイ済の人にとってはストーリーが飲み込みやすいだけでなく、比較するような視点での楽しみ方もあるかと思います。
反面、6年という時間の経過もあって登場人物はほぼ一新されており、出来事や用語について説明があったりTIPSモードで確認することが出来たりと、新規プレーヤーへのハードルを下げる工夫が感じられ、未プレイの人でも快適にプレイできると思います。

ハードルという部分でもう1つ。「CERO:Z」からも分かる通り、猟奇殺人やそれに伴う描写が中々ハードです。しかしショッキングなシーンは多いものの、アングルや影によって直接的過ぎる表現は避けてあるように感じたのでグロがやや苦手な僕でも「なんとか大丈夫」くらいでした、かなり苦手な人は厳しいかもしれませんのでご注意を。


特徴的な2つのゲームシステム
毎作シナリオに合わせて独特なシステムを採用している科学ADVシリーズ、前作から引き継いだ「妄想トリガー」に加えて、新たに「マッピングトリガー」が加わりました。

 妄想トリガーシステムは突然主人公の妄想が暴走を始め、ポジティブ妄想・ネガティブ妄想・妄想しないの選択によって様々な妄想を見ることが出来ます。中にはエヘヘな展開も……このゲームの楽しみの1つですね!


紹介ムービーは3本公開中です

マッピングトリガー
は新聞部員である主人公達が渋谷の地図と事件写真を用いて推理を進めていくシステム。
マッピングトリガー
選択によって分岐に影響があるだけでなく、シナリオの補助的な役割も

ADVにありがちなキャラ選択や単純な選択肢ではなく、ユーザー自身が考えて選ぶようなシステムにすることで世界観へのリンクが増しているように感じました。

状況を変化させる妄想トリガー」と
状況を整理するマッピングトリガー」が交差し、物語が変化して行きます。


ゲームであるべきゲーム
このゲームで強くオススメするポイントはやはりシナリオ。事件が進むにつれて謎は増えるばかり、1歩進んだかと思えば2歩下がっているような、迷路の中を進んでいるような不思議な感覚の中で予想を裏切られ続ける事間違いなしだと思います。

文章を読み進めるゲームは時に「遊んでいる感覚が少ない」「本で良いのでは」と言われる事もありますが、この『CHAOS;CHILD』の世界を構成するキャラ立ち絵、CG、音楽など、何が欠けてもあの緊張感は味わえないでしょう。
特に声優さんの演技はどのキャラクターも圧巻の一言、ヒロイン別のルートでもその凄さは際立っており納得のキャスティング。
(時にヒロインを悲劇が襲う事もありますので声優さんのファンというだけでプレイするのはちょっとリスキーかと思いますが……)

takuru
情報強者を自称する主人公・宮代拓留の独特な喋り口調も絶妙


ADVでは「ネタバレ厳禁」と言われますが、これだけ複雑に展開していくゲームを「犯人は〇〇」とか「凶器は△△」だなんて単純なネタバレで言い表すのは不可能だと思います。

このゲームの目的は犯人を探すだけではなく、もっと多くの事を確かめなければなりません
連続殺人事件の真相、犯人の思惑、謎のシールの意味……各ヒロインの謎も個別ルートで徐々に明らかになっていくでしょう。
どうか全てのルートをクリアして、この物語を確かめてみて欲しいと思います。


CEROZだけあって若干人を選ぶ要素はありますが、少なくともキャラクターゲームだと思って敬遠してしまうのは損ですね、硬派なゲーム好きの人ものめり込めると思います。
興味がわいた人は是非公式サイトをチェック!
PSstoreでは1章を丸ごとプレイ出来る体験版も配信されていますので参考に……と言いますが、1章をプレイしたらもう戻れなくなっているかもしれませんよ。

膨大なシナリオ量ですので、毎日プレイしても軽く1週間はかかるかと思います。詰まったら攻略サイトを見るのもアリ(先まで見てしまわないよう要注意)
出来れば少し暗くした部屋ヘッドフォン装着で、どっぷりと狂気に包まれた渋谷に入り込んで一気にクリアして欲しい作品です。
息の詰まる展開とクリア後の背筋に来る感覚、秋の夜長に如何でしょうか。




僕のお気に入りキャラは有村雛絵ちゃん。
千代丸さん!『らぶchuchu』待ってますよ!!