2015年、渋谷
6年前の“ニュージェネレーションの狂気”の再来を予感させる連続猟奇殺人事件の発生。
その謎を追う主人公・宮代拓瑠ら碧朋学園新聞部の面々が、事件の真相とその奥に隠された本当の事件に迫っていく様子を描いた名作サスペンスADV
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CHAOS;CHILD
“妄想”と“現実”
“真実”と“嘘”
“ポジティブ”と“ネガティブ”
相反する要素が複雑に絡み合うシナリオは、プレイヤーを常にドキドキさせ、没入感を煽る演出は時に後ろに誰か立っているのではないか警戒してしまう、そういった錯覚を起こす程の緊張感に溢れていました。


  そんなカオチャの、こんな展開あったかもしれない。IFの物語
それが
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CHAOS;CHILD らぶChu☆Chu!!
欲望とおふざけがこれでもかと絡み合うシナリオは、プレイヤーを常にドキドキさせ、肌色面積の多すぎる画面は後ろから誰か見ていないか警戒してしまう。そんなゲームでした。

クリアまでのプレイ時間は20時間ちょっとでしょうか。
今回も紹介を兼ねて、感想を残しておきたいと思います。


クリア後の感想を簡単に表現すると
振り切り具合と繊細さのギャップが印象的」な本作。

科学ADVシリーズですから、製作はもちろん
CHIYOMARU STUDIO

これまでの作品も科学を題材にした理論的でスリリングなシナリオがメインになりつつも、織り交ぜられる切ない展開・心理描写という部分がシリーズの人気を支える大きな柱ですね。
ピンクと肌色を中心に構成されたパッケージと奇抜なタイトルが目を惹く本作も、パッと見テンションで押し切ってると思われるかもしれませんが、1ヒロインにフォーカスして描かれる気恥ずかしさ満点のシナリオのモゾモゾ感はハイレベル。

ADVへ拘りのあるチヨスタは、システム面にも一工夫あり。
ポジ・ネガティブな妄想によって展開が変化するお馴染みの“妄想トリガー”に加えて、ルート分岐には2択心理テスト風の“YES-NOトリガー”を実装。
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物凄く斬新!という訳ではないですが、単にキャラの名前を選ぶだけなんてゲームにはしないぞという心意気が楽しいですね。
そのお陰で初プレイからイキナリ濃厚な接触を見せられて、ゲームのハイテンションさとは裏腹にローテンションから始まったプレイヤーも多いかと思います。


そして何と言っても振り切ってるのはシナリオ
このゲームのキモは当然ヒロインの可愛さってトコだと思いますが、イベントシーンの内容は「あーこりゃ可愛いですわ」ってのもあれば「どの層狙ってんの……」ってのも。
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何というセリフ、そして何という顔だ有村
主人公の宮代くんが完全にムッツリスケベなので、どういう展開になっても「まぁこういう妄想する人だしね」ってなっちゃうのは便利ですね。
色々とギリギリなシーンも多いので製品版にてお確かめください。

と、単体のシーン切り出しても面白いですが、全体の流れとしても彼らの“ギガロマニアックス”としての特殊能力もストーリーに絡められていて“このゲームならでは感”が味わえますし、宮代くんら登場人物がここぞという場面で見せる吹っ切れた姿は、一見の価値アリですね。

今回プレイしていて思ったんですが、渋谷と言う舞台は『カオチャ』本編で
情報に踊らされる群衆が集う場所
の象徴として役割を果たしていました。
それが恋愛ADV風の本作ではスクランブル交差点を中心に
様々な人間の心情が交差する場所
として描かれました。

渋谷にて奇妙な能力を持った少年少女達の群像劇という『カオスチャイルド』は、ちょっぴりファンタジーな恋愛ADVの題材として持ってこいだったかも知れませんね。


『カオスチャイルド らぶChu☆Chu』は本編では色々……本当に色々とあったヒロイン達と元気にキャッキャウフフしちゃおうぜ、というようなテンションのゲームです。
それでも本編での結末を思うと、楽しいシーンの裏に隠れた寂しさがフッと顔を見せる事もあり、なんだか不思議な感覚でした。

しかし、そこで敢えてパラレルワールドの様に簡単な設定にせず、続編として製作してくれたスタッフの心意気に感謝ですね。
この物語を語り始めるのが久野里澪というのも、味な感じがします。


冒頭にも書きましたが、時間としては20時間くらいでトロコン出来る長さで、やっぱり
「もっと遊びたかったなー」
なんて事も思いますし
「久野里澪のサービスシーンもうちょっとあっても良かったんでねーの!?」
という気持ちを隠すことは出来ませんが、仕方がないのでその辺は各自の妄想トリガーで補完していくことにしましょう。
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こちらは特典の画像です。

可愛いシーンも、エロいシーンも、カッコ良いシーンも、そして切ないシーンも
どれも、あの一連の事件を乗り越えたからこそ強く楽しめる、そんなゲームでした。

普段は
「前作を遊んだことが無くても」
なんて決まり文句でオススメすることの多い自分ですが、こと本作に限って言えば是非とも本編を楽しんで(出来ればアニメじゃなくてゲームで)から遊んで欲しいと思います。

おっけぃ?


本編感想 http://sekagame.blog.jp/archives/45166127.html

映画版『SILENT SKY』感想 http://sekagame.blog.jp/archives/71080577.html